エジプト・カイロの「タハリール広場」、アラビア語の「自由解放広場」にとうとうやってきた。 1年あまり前、自由と民主主義を求めて、数十万人の市民が決起し、ムバラク前大統領を追放した「アラブの春」の象徴的な広場。今回、初の自由で公正な選挙といわれるエジプト大統領選挙を取材しようとやって来た。 はがされた舗道の敷石下には砂がむき出しになり、壊れた信号機や標識が黒く埃に覆われたまま、ポールからぶら下がっている。巨大な建物のモガバ前政府合同庁舎も閉鎖され、人気もなく不気味に立つ。 15カ月前、ここでメディアが編み出した言葉が「ツイッター革命」。ツイッターやフェイスブックで発信された民主化を切望するメッセージが、エジプト全土に広がり、「独裁者追放」に至ったことを意味する。 そこで、大統領選だけでなく、カイロで取材したかったことがIT環境だ。昨年の革命は、果たしてほんとうに「ツイッター革命」だったのか。