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ブックマーク / www.enpitu.ne.jp (23)

  • 与太郎文庫

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    laiso 2007/02/12
  • そんな風に思うから仕方ない

    WEBで文章を書く人、というのは、ある種なんらかの主張を持っている。 ささいな事から、おおきなポリシーまで広く。 それはひとつひとつ色、形があり、ひとつとして同じものは無いように思う。 たとえば、影響力のある文章ないしは主張があって、それに引きずられたとしても、「個人」というフィルターを通す事で、何らかの変化はある。 そっくりそのまま転記する場合を除いて。 まっとうな読解力があれば、そのわずかな違いに気づくことができるだろう。 「劣化コピー」「〜の影響を受けている」という形での気づきかもしれないけれど。 時たま、そうした事を視野に入れず、ただ、ただ、自分は変わっている。 と、書いてあるのを見かけるが、それはどういった基準で敢えて書かれているんだろうか。 ざっと見渡して、ロジックがあまり見かけない、というのであれば、希少意見として、自分の考え方を自覚しているのだ、と、好意的に見る事もできるの

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    laiso 2007/01/13
  • 活字中毒R。

    「日経エンタテインメント!2006.12月号」(日経BP社)の「『エンタの神様』生みの親が初めて明かす、人気芸人のつくり方と今後への不安」より。文:松野浩之、麻生香太郎) 【この番組(『エンタの神様』)を手がけるのは、日テレビの五味一男プロデューサー。総合演出の肩書きで、企画から構成、演出までのすべてを担当する。過去に手がけた番組は『クイズ世界はSHOWbyショーバイ!!』『マジカル頭脳パワー』『投稿!特ホウ王国』『速報!歌の大辞テン!!』など。ほぼすべてで視聴率20%を叩き出していることから、業界では”9割打者”と呼ばれる。『エンタの神様』は、五味氏にとって初めてのお笑い番組だった。 なぜ、この番組だけが継続的に人気芸人を輩出できるのか。謎を解くべく取材した五味氏の言葉から浮かび上がった制作システムは、とてもテレビのお笑い番組とは思えないものだった。 普通のネタ番組は、面白い芸人やネタ

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    laiso 2006/11/11
  • ヴィジュアル系調査団-不可解な報告書-

    [あ行] [煽る(あおる)] ライブ中、激しい曲の時にバンドマンが、 ファンに対してのることを強制する発言や行動をすること。 「いけますか?」が典型的な煽りの言葉。 [あがる] ある特定のバンドのファンをやめること。 「バンドをあがる」だと、バンドそのものに興味がなくなることを言う。 「バンギャルをあがる」だと、V系に興味がなくなったという意味になる。 [アンチ] ある特定のジャンルやある特定のバンドが嫌いな人のこと。 [痛い(いたい)] ありえない、終わっている、ひどい、すごい、ようなこと。 V系だけの言葉ではないが、V系の話をしていると「痛い」という単語を必ず聞く。 そんなにファンもバンドマンも痛い人ばっかりだろうか。 [一般受け(いっぱんうけ)] ヴィジュアル系ファンではない普通の人が 好きになりそうなバンド・曲の傾向のこと。 バンギャルは、バンドがちょっとでも普通になると「一般受け

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    laiso 2006/10/13
  • 活字中毒R。

    「この文庫がすごい! 2006年度版」(宝島社)より。 (多孝好さんへのインタビュー記事の一部です。インタビュアーは杉尚子さん) 【インタビュアー:ところで多さんの文庫には、巻末に解説が付けられていませんね? 多:文庫を手に取った時に、まず解説から先に読むという人もいるじゃないですか。僕もわりとそうなんですけど、でも解説を読んで買う、買わないを判断するなら、そのぶん中身の文章を1ページでもいいから、いや3行でもいいから読んでみて、そのうえで読むどうか決めて欲しいと思ってるんです。 インタビュアー:しかし逆に、解説を楽しみにしている読者もいるのでは? 多:それはその通りだと思います。ある編集者さんが「一冊のを読み終わった時、いいものだと感じた読者というのは、その感情を誰かと共有したがるもの。そのために解説はとても有用である」ということをおっしゃっていて。賛同される方も多いのでし

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    laiso 2006/08/11
  • 活字中毒R。

    「と学会年鑑GREEN」(と学会著・楽工社)より。 (と学会会長・山弘さんによるあとがき「あばたがかわいい女の子の話」の一部です) 【どんな趣味でもそうだろう。バイクにせよ、釣りにせよ、鉄道模型にせよ、古や切手の収集にせよ、アイドルや声優の追っかけにせよ、興味のない人間から見れば「なんであんなものに夢中になれるの?」と不思議に思えるだろう。古いオーディオ機器やSLやクラシックカーや第二次世界大戦中の飛行機を愛する人も多い。そうした古いマシンは現代の最新マシンよりも性能が劣っているのだが、そんなことファンには関係ない。好き嫌いは主観的なものであって、性能の絶対的な優劣で決まるわけではないからだ。 同様に、古書マニアが古書店を回って古を集めるのは、古が現代のより優れているからではない。僕らが特撮番組を見るのは、優れているからではない。単に好きだからである。 ところが困ったことに、ファ

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    laiso 2006/08/02
  • 活字中毒R。

    「ダカーポ・588号」(マガジンハウス)の特集記事「このを読め!好きの屋さんからの直言」より。 【大学卒業後の家業を継いで20年余り。久住さんは、札幌市西区で60年の歴史をもつ「くすみ書房」の2代目である。 「バブルの崩壊と若者の活字離れ、さらにナショナルチェーンの進出などで、町の屋は青息吐息。売り上げはピーク時の半分に落ち込み、全国で毎年、1000店舗を超える書店の廃業が続きました。売り上げを伸ばそうと、何年も努力を続けましたが、ほとんど打つ手がない。それが3年前の状況だったんです。 残る道は店を閉めるか、移転するしかない。久住さんは社員にそう宣言して、最後の頑張りのヒントを得ようと、片っ端からを読んだ。 (中略) 売り上げを伸ばす努力に怠りはなかった。だが、売り上げを一切考えないで、人集めだけを意識した取り組みをしたことはない。でも、どうしたらいいのか……。長年温めてきたアイ

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    laiso 2006/07/24
  • 活字中毒R。「結末ナシ」の小説は許されるのか?

    『ダ・ヴィンチ』2006年7月号(メディアファクトリー)の京極夏彦さんと高橋葉介さんの対談記事「『幽』怪談文学賞を目指す方へ〜怪談之怪は、こんな怪談を待っている!」より。 【京極夏彦:僕の長編小説なんかは、ネタ的にはどれも4コマですからね。起承転結というか、まず構造ありきではあるわけで、だから僕は怪談が書けないのか(笑)。ただ、「この人一体何を考えて書いてるんだろう。書いた奴がいちばん怖いよ」という作品も、長編怪談の場合はアリなのかな、と思いますけど。 高橋葉介:ああ、そういうのも読みたいですね(笑)。 京極:投稿作品を読んでると、たまにあるんですよ。これ書いた人には会いたくないなあって作品が。 高橋:しかし短編の場合は『猿の手』のように「よくできていること」が重要です。 京極:そうですねえ。一方で、長編の場合は破綻が魅力になることもありますね。以前、筒井康隆先生とお話させていただいていて

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    laiso 2006/06/29
  • 活字中毒R。 『ルパン三世 カリオストロの城』の功罪

    「BSアニメ夜話 Vol.01〜ルパン三世 カリオストロの城」(キネマ旬報社)より。 (名作アニメについて、思い入れの深い業界人やファンが語り合うというNHK−BSの人気番組の「ルパン三世 カリオストロの城」の回を書籍化したものです。この回の参加者は、岡田斗司夫さん(作家・評論家)、乾貴美子さん(タレント)、大地丙太郎さん(アニメ監督、演出家、撮影監督)、国生さゆりさん(女優)、唐沢俊一さん(作家・コラムニスト)です。 【岡田:あの、原作者のモンキー・パンチさんは、やっぱり、この『カリオストロの城』を、すごい評価しているんですけども、この後ですごくやりにくくなったと言っているんです。 国生:そうだと思う。 岡田:だってモンキー・パンチの原作版のルパンって、女を裏切るし後ろから撃つんですよ(笑)。 国生:そうそうそう。 大地:そうなの? 国生:そうなんです。 乾:いい人ですよね? この作品だ

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    laiso 2006/06/25
  • 活字中毒R。 - ものすごく困る悩み相談

    「ダ・ヴィンチ」(メディアファクトリー)2006年5月号の谷有希子さんのエッセイ「小耳劇場・第9回『悩み相談の巻』」より。 【先日、ものすごく困る悩み相談を耳にしてしまった。夕方のファミレスで隣のテーブルに座った小学生男子とそのお姉ちゃんらしき中学生女子の会話だったのだが、それまではお互い一言も言葉を交わさず運ばれてきたパフェにスプーンを突き立てていたというのに、ふと弟のほうが思い詰めたような表情でその悩みを淡々と打ち明け始めたのである。 「姉ちゃん、最近、俺の中にキムタクが住んでる」 ヤバい。これはかなりヤバい相談だ。なぜならキムタクは家の中に住むものであって、小学生男子の中に住むものではないからだ。だったらまだ「最近、俺の中に金正日が住んでる」のほうが社会情勢について考えてそうでマシな気がする。「俺の中に悪魔が住んでる」。これも比喩表現っぽくてだいぶいい。ここまで来たら思いきって「俺

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    laiso 2006/06/17
  • 活字中毒R。 - 私にとってはブログで発表するほうが怖いです

    「ダ・ヴィンチ」(メディアファクトリー)2006年6月号より。 (「第1回ダ・ヴィンチ文学賞」の大賞受賞者、前川梓さんの紹介記事の一部です。取材・文は江南亜美子さん) 【まさに、小説家になるべくしてなったようなエピソードだが、それだけじゃないのが前川さんの文章力。大学時代、アルバイトをした老人介護施設で、彼女に書くことの力を再認識させる、ひとつの出来事があった。「あるとき先輩にオムツの実体験を勧められたので、当に一日をはいて過ごしてみたんです。そしたら冷たくて、不快で。これは書かなあかんなあって、絵付きの『オムツ体験記』を徹夜で書きました。それが後日、介護士さんたちに配られることになったんですけど、みなさん、初心に帰れたと言ってくれて。実際にお年寄りの方からも『最近、何かが変わった』という言葉を聞けたんですよ。書くことで何かが変わるという体験は、当に大きいものでした」。 同じ頃、もうひ

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    laiso 2006/06/17
  • 活字中毒R。 - その「やらせ」を叩く資格があるのか?

    毎日新聞の記事より。 【岐阜県可児市瀬田の花フェスタ記念公園を運営する財団法人・花の都ぎふ花と緑の推進センターは8日、同公園で7日行われた「恋人の聖地」の銘板除幕式で、第1号の恋人として認定証を渡されたカップルが、来園した客ではなく、カップルが見つからない場合を想定して同公園の担当者が事前に頼んだ“代役”だったことを明らかにした。同センターの澤田哲郎理事長は「誤った情報を提供して申し訳ない」と謝罪した。 澤田理事長らによると、当初は日曜日の4日に予定されていたイベントを平日の7日に変更したことから、担当者が若いカップルを見つけて承諾を得ることができない場合を想定。同公園のパート従業員の女性に頼み、実際の恋人とともにスタンバイさせていたところ、午前9時半のイベント開始時間までに来園者のカップルを見つけることができなかったため、女性らを「恋人第1号」として除幕式を行ったという。】 〜〜〜〜〜〜

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    laiso 2006/06/17
  • 活字中毒R。 - 職業翻訳者にとっての「アンフェア」と「ネタバレ」

    「特盛!SF翻訳講座〜翻訳のウラ技、業界のウラ話」(大森望著・研究社)より。 【とくにジャンル小説の場合には、そのジャンルの読書量がものを言う。SFにはSFの、格ミステリには格ミステリの、ファンタジーにはファンタジーの約束事があり、それを知らずにいると、翻訳もとんちんかんなものになりがちだ。 たとえば翻訳ミステリなら、描写のフェアネス(読者に錯覚させるためのウソを地の文に書いてはならない)をきちんと理解して訳さないと、フェアなミステリがアンフェアなミステリになってしまったりする。 第二回格ミステリ大賞を受賞した『乱視読者の帰還』(みすず書房)収録のクリスティ論「明るい館の秘密」で、若島正氏が明晰に指摘する『そして誰もいなくなった』(ハヤカワ・ミステリ文庫)翻訳上の問題点は、その典型的な例。クリスティが駆使する叙述トリックに翻訳者までひっかかってしまったために、小説を注意深く読めば論理

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    laiso 2006/06/17
  • 活字中毒R。 - 「脱げ」とか「何で脱がないの?」と言われるたびに

    「嫌われ松子の一年」(中谷美紀著・ぴあ)より。 (中谷美紀さんの主演映画「嫌われ松子の一生」の撮影日記の一部です) 【撮影の合間には、刑事役で出演してくださっている渡辺哲さんが「この当に面白いよね。最初に読んだとき泣いたもんな。どんな作品になるか楽しみだよ」とおっしゃってくださった。因みに「ねえ、脱ぐの?」なんて聞かれて「いいえ、脱ぎません」と即答すると、「何だよ脱げよ!」と言われてしまった。「脱げ」とか「何で脱がないの?」と言われるたびに、面倒くさいなあと思う。裸のインパクトに、他のシーンの演技が劣らないくらいいい演技ができるようになって、ギャラも10億円くらいいただけるくらいの大女優になったら、いつでも脱ぎますよ。まあ、そんな日は死んでも訪れないでしょうけど。】 〜〜〜〜〜〜〜 【「脱げ」とか「何で脱がないの?」と言われるたびに】というくだりを読んで、女優さんというのは、けっこう

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    laiso 2006/06/17
  • 活字中毒R。 - 小説と戯曲の一番の違いはなんですか?

    「週刊SPA!2006.5/16号」(扶桑社)の鴻上尚史さんのコラム「ドン・キホーテのピアス・567」より。 【小説と戯曲の一番の違いはなんですか? とインタビューされました。 すぐに、「はい、小説は時間を気にせず書けるので、楽です」と答えました。 戯曲は、時間との闘いです。 僕は、いつも、400字詰め原稿用紙210枚前後で、ひとつの芝居を書きます。これを、びゅんびゅんの速度で上演して約2時間です。が、1時間58分と2時間4分では、作品の印象が大幅に違うのです。 戯曲やシナリオの場合は、「ストーリーを考える」ことと「自分を考える」ことが同時に要求されます。 ところが、小説の場合は、ここまで厳密ではないはずです。400字詰めで250枚を235枚にどうしてもしなければいけない必然は、そんなに強くないと思います。 シナリオや戯曲は、「時間とのパズルゲーム」なのです。 よく映画評や劇評で「登場人物

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    laiso 2006/06/17
  • 活字中毒R。 - 松本人志が写真週刊誌を訴えた「本当の理由」

    「週刊プレイボーイ」(集英社)2006.6/5(Vol.23)号の「松人志の怒り!」より。 (読者からの[松さんが、写真週刊誌を相手に「裁判で勝訴」という記事を読みました。なんでも、プライベートでAVを借りているところを盗撮された」からとか。確かに、そんなことされたら腹立ちますよね!] というメッセージに対しての松人志さんの答えの一部です) 【この裁判はねえ、勝つには勝ったんですけど、当に大変でした。 もうね、ワザとやと思うんですけど、新聞やその他の報道でね、ボクのいちばん言いたかった主張が歪曲されているんですよ! 報道の多くが「プライベートでAVを借りているところを盗撮された」ことを怒っているように書いてありましたが、違うんですよ。 そうではなくて、写真を載せる時に「防犯カメラの記録ビデオから転載した」ことをボクは怒ったわけです。 もし、こんなことがこれからも許されるのなら、有名

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    laiso 2006/06/07
  • われ思ふ ゆえに・・・ - すごい話を聞いちゃった

    交差点で信号待ちをしていたら、突然「2ちゃんねるって知ってるか?」という声が聞こえてきた。 ふと隣を見ると、スーツ姿の若い男性が携帯電話で話している。ネット系の話題だわと思い、聞くでもなしに聞いていたら、驚きの内容だった。 同僚の中の誰かの奥さんが2ちゃんねるに「銀行マンの夫の残業代がつかない」「休日出勤が多すぎる」といった会社に対する批判を書き込んだ。それが会社の知るところとなり、いま社内で大問題になっているというのだ。 「で、俺らも今日は早く帰れって言われてさあ」 と男性がのんきに言う。 が、彼の話が「書き込んだのが誰の嫁さんかってのはもうほとんどわかってるんだよね」と続いたものだから、私の耳はますますダンボに。なんとその奥さん、「○○銀行」と名指ししただけでなく、夫が勤めているのは大阪にある支店の中で唯一ATMを置いていない店舗であるとか、仕事内容はこんなこんなでひと月のサービス残業

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    laiso 2006/05/14
  • 活字中毒R。

    「はじめてわかる国語」(清水義範著・西原理恵子・絵:講談社文庫)より。 (大学の教育学部の学生だった清水さんが、教育実習に行ったときのエピソードです) 【大学二年生になって、今度は小学校へ、三週間教育実習に行った。私は国語科の、小学校課程の学生だったので、そっちのほうが専門で、期間も長いのである。 小学校では、国語の授業だけをすればいいのではない。算数も社会科もやり、音楽の授業ではオルガンをひいて歌を歌わせた。 でも、国語の授業が中心ではあった。私は四年生のクラスに配属されたのだが、四年生がちょうどその時国語で習っていたのは、小説の『ハイジ』だった。ただし、例によって教科書に『ハイジ』の全編が載っているはずはない。教科書で読む『ハイジ』は、アルプスの山で生活するようになったハイジが、そこでの暮らしに驚きながら、おじいさんと話をしたり、羊飼いのペーテル(訳によってはピーター)と仲良くなった

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    laiso 2006/03/11
  • 活字中毒R。

    『オール讀物』2006年3月号「第134回直木賞決定発表」より。 (『容疑者Xの献身』で、第134回直木賞を受賞された、東野圭吾さんの自伝エッセイ「楽しいゲームでした。みなさんに感謝!」の一部です) 【そして7月2日の午後7時半頃、運命の電話が鳴った。 「おめでとうございます」 この台詞を耳にした時には、頭がくらっとした。新しい世界への扉が開かれる音がはっきりと聞こえた。 事実、それからほんの少しの間はバラ色だった。単行の『放課後』は十万部も売れた。週刊文春のベストテンで1位にも選ばれた(当時が乱歩賞作品が1位になるのがふつうだったが、そんな事情は知らなかった)。 しかしそんなものが長く続かないことは私にもわかっていた。ここが勝負所だと思った。それで会社を辞めて上京することを決心した。 ところが上京後に会った編集者は明らかに困惑していた。 「あんなにいい会社、よく辞める決心がつきましたね

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    laiso 2006/03/11
  • 活字中毒R。 - 「レジ打ち」の掟

    「県庁の星」(桂望実著・小学館)より。 【三階のエスカレーター横で梅雨対策用の品をワゴンに並べていると、背中越しに野村の接客する声が聞こえてきた。入店して半月余り、どうやらレジを任せてもらえるまでになったらしい。誰かが昼休憩に行っているからだろうか。ポップをテープで留め付けなからそっと野村を窺った。次になにをやったらいいのかわからないのだろう。包装紙を探してみたり、レジに向いたりを繰り返す。右に一歩、左に一歩。前に、後ろに、タン、タン、スタタン。カウンター前で小さなステップを踏み続ける。 野村が言った。「お客様、このカードは使用不可になっていまして、クレジット会社に連絡することとのメッセージが――」 泰子は速攻でレジに向かった。 客が怒りを爆発させる寸前に声を掛けた。「お客様、きっとコンピューターのトラブルです。磁気が弱っていると読み取れないことがあるんです。申し訳ございません。どういたし

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    laiso 2006/03/11