で、季節柄なのでチョコレートネタを書きます。 チョコレートは、カカオマス、カカオバターをはじめとする油脂類、ココア、糖、および粉乳から作られる菓子です。 油脂分(脂肪酸トリグリセリド)は、優良チョコレートではカカオバターのみより調製されるのですが、一般的なチョコレートは合成油脂を混ぜます。 チョコレートの味は、実は、この油脂の結晶構造が支配します。 トリグリセリドの結晶多形は古くから研究されています。液晶相までいるのですごく厄介なのですけど。 最近では品質管理の点から、ある程度の量は合成トリグリセリドを混ぜているんですが、普通は SUS といって、グリセリンの1位と3位に飽和脂肪酸を、2位に不飽和のものを入れた合成油脂が用いられます。 対称型の cis-モノ不飽和トリグリセリドですね。 トリグリセリドの結晶構造では、βと呼ばれる室温よりちょっと上に安定領域がある準安定相が愛されます。 この