ごみを自宅にため込み、近隣住民に迷惑をかける「ごみ屋敷」対策に、東京都足立区が“アメとムチ”を駆使した包括的な条例で取り組む方針を決めた。 撤去に応じない場合は家主の氏名を公表するなどの強硬策をとる一方で、撤去費用の補助や、収集癖がエスカレートした家主への精神面でのサポートも盛り込む。国土交通省によると、「ごみ屋敷」は全国各地で問題になっているが、「ここまで包括的な条例は聞いたことがない」としている。 国交省によると、2009年の調査で全国の250市区町村でごみ屋敷が確認されている。近隣住民から「悪臭がひどく、害虫やネズミが入ってくる」「放火が心配」などの苦情が寄せられても、家主から「ごみではない」と主張されれば行政が介入することは難しく、多くの自治体は対応に頭を悩ませているのが実情だ。 足立区が検討している条例案は、ごみ屋敷を「ごみや樹木などにより、周辺住民の健康を害し、生活環境に悪影響