一説には今年のインフレ率が1000万パーセントと言われる、南米の国ベネズエラ。日本人には想像もつかないハイパーインフレで苦しむ同国は、一体どこでつまずいたのか? 米国の投資運用会社で働いた経験があり、『マネーの代理人たち』の著書もある小出・フィッシャー・美奈氏が、「中南米の優等生」の転落の軌跡を追う。 「1000万パーセント?」のハイパーインフレ 長年のデフレ体質が抜けない日本では、安倍政権が7年目に入っても、なかなか目標の2%のインフレは見えてこない。昨年12月の消費者物価指数の伸びは0.7%。四半期決算でも、ユニーを子会社化したパン・パシフィック・ホールディングズ(旧ドンキホーテ)や自社株買いを発表した牛丼「すき家」のゼンショーなどの「デフレ銘柄」は堅調だ。 そんな日本では「ハイパー・インフレ(国際会計基準で3年間で累積100%以上の物価上昇を指す)」と言われても今一つピントこないのだ