・Erexim法 タンパク質の糖鎖修飾は他のどの翻訳後修飾よりも複雑な構造をしています。例えばリン酸化のように1付加部位にリン酸1分子というような単純な関係ではなく、一カ所の糖鎖付加部位に通常数種類~数十種類もの糖鎖が付加されています。 これまでは糖鎖を酵素で切り離してから蛍光ラベルを施し、HPLCや質量分析計で測定する方法が主流でしたが、複数箇所に糖鎖が修飾されているタンパク質やミクスチャーの場合、どの位置の糖鎖がどのような構造割合で構成されていたかという重要な情報が失われてしまいます。また、分析にも時間が掛かり、測定濃度幅(ダイナミックレンジ)も狭いため、観測できる糖鎖の種類も量の多い構成成分に限られていました。 そこで、私達の研究室では糖ペプチドをMS/MS分析に供するときに生成する様々な種類の糖鎖フラグメントイオン(オキソニウムイオン)に注目しました(下図右端のリスト)。これらオキ