形式的意義の民法(仏: code civil)と、実質的意義の民法(仏: droit civil)とは同一ではない。元来、法は社会共同生活の基本的ルールの一つであり、文字より先に生じたものである。したがって、古代の法は、不文の慣習法として成立した。不文の慣習法であっても、経済生活や家族生活の法としての民法(仏: droit civil)は観念されうる。その後、文字の発達と共に、文字に書いた法、すなわち成文法が制定されるようになる。成文法の初めは、個々の事項についての規定、すなわち単行法であったが、やがて様々な事柄に共通して適用される一般的な法も現れ、これらが体系的に整備されて法典となっていった[5]。 紀元前18世紀にバビロニアで成立し、現存する法典のうち世界で2番目に古い法典であるハンムラビ法典は、多くの民法規定を含んでいた。また、ユダヤ教・キリスト教におけるモーセ五書や、イスラム教のコ