2023年の洋画興行で興味深い動向が見られた。ジェームズ・キャメロン監督の最新作であり、3D映画の金字塔となる大ヒット作の続編『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』が期待を大きく下回る結果になり、同じくキャメロン監督の25年前の名作をリマスターした『タイタニック:ジェームズ・キャメロン25周年3Dリマスター』の2週間限定上映が想定以上のヒットになったのだ。その背景を、新著『アメリカ映画に明日はあるか』(ハモニカブックス)で日本の洋画興行を考察する映画ジャーナリストの大高宏雄氏に聞いた。 『アバター』続編が日本では大ヒットしなかったワケ 昨年12月16日に公開され、正月映画の目玉だった『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』。2009年公開の前作『アバター』は世界歴代興収1位となり、日本でも興収156億円の大ヒットとなっていた。その続編となる今作には、3D映画ブームのきっかけを作った当時の数字