表彰台で並ぶ(右から)男子フィギュア日本人初の銅メダルを獲得した高橋、優勝のライサチェク、2位のプルシェンコ 【Photo:ロイター/アフロ】 5分に満たない短い時間の中で、冷たい氷の上で、大観衆に囲まれながら、たったひとりで、すべてを終える、夢のように繊細なスポーツ、フィギュアスケート。 しかもこの日の舞台は、4年に一度の祝祭「オリンピック」だ。 ここは、フィギュアスケーターに必要な様々なもの、それをなるべくたくさん、高いレベルで持っている選手たちが集う場所だ。しかし4年に一度の重圧と、4年に一度しかないチャンスを前に、すべての力を余すことなく発揮することは難しい。上位に入った選手は誰もが少しずつ、本来持てるものを見せられずに終わった。しかし同時に、それぞれにとって一番大事な“何か”だけはしっかり守った選手が上位に入った……そんな一戦だった。 ロシアのエフゲニー・プルシェンコが守った
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