大手SIerの経営者がこんな「恐ろしい話」をしていた。「パートナー企業(=下請けITベンダー)から人が消えているんだよ。大変なことになりつつある」。恐ろしいといっても、神隠しにあっているわけではない。この経営者が話した「人」とは優秀な技術者のことだと理解すれば、IT業界の関係者なら誰もが合点がいくだろう。もちろん、あくまでも優秀な技術者のことであって、技術者一般の話ではないぞ。SIerから見れば、これほど恐ろしい話はないだろうね。 要するに、システム開発プロジェクトの実装工程などをリーダーとして担える下請けITベンダーの技術者が転職することで、どんどん「消えてしまっている」わけだ。人月商売のIT業界の多重下請け構造にあって、その親玉であるSIerから見える技術者とは「この人がいないとプロジェクトが回らない」と言われるような人材だ。客の業界や業務に精通している人、当然プログラムが書けてシステ
![下請けベンダーから「人が消える」、大手SIerの経営者も恐れる深刻な事態とは](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/0108a7a0749b5fabb1e055cefc6f51dca7d49aff/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fxtech.nikkei.com%2Fatcl%2Fnxt%2Fcolumn%2F18%2F00148%2F101800305%2Ftopm.jpg%3F20220512)