新型コロナウイルスが蝕むのは体だけではない。その毒性は心にも感染し、ときに死に至らせる。感染拡大による将来に絶望していた東京都内の老舗とんかつ店の店主は、燃え上がる店の中で命を落とした。聖火ランナーでもあり、商店街の人気者でもあった店主の遺書は見つかっていないが、過去に綴った手記には、いまは成人した3人の娘たちへのメッセージが遺されていた。 「もう店をやめるかも」商店街の人たちに悩みを漏らしていた 東京都練馬区にある創業50年のとんかつ店「とんかつ まるとし」で火災が起きたのは4月30日の夜のこと。中から、店主の若山太郎さん(54)とみられる焼死体が見つかった。油を大量に扱うとんかつ店なだけに事故の可能性もあるが、大量の油が遺体に付着していた。警視庁光が丘署が自殺の可能性があるとみて調べているゆえんだ。 新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急事態宣言の最中、東京都は特定警戒都道府県に指定
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