36名の美の信奉者達による耽美の饗宴 耽美主義とは、表現されている事象の思想や善悪を問うことではなく、その美的享受及び形態のみに最上の価値を置く、19世紀後半ヨーロッパに広まった芸術思潮です。オスカー・ワイルドや江戸川乱歩、夢野久作、澁澤龍彦などに象徴される異端や幻想的な表現は、進歩的なアンチテーゼを醸し出してきました。耽美主義は、エロス(性)とタナトス(死)の両義性を主軸とした古代ギリシャより現代に至るまで、表現者の普遍的なテーマでもありました。 日本でも平安時代より民間で定着していたお伽草子や怪談などが親しまれており、世界にも類例のない独自の表現世界が確立されました。画壇を中心とした保守的な作風が主流を占めていた時代に挑発的な表現で時代に風穴を開け、時代を切り開いた日本のルネサンスであり、アングラ演劇やサブカルチャー、現代のクールジャパンに至るまで影響をもたらしています。 本展ではその