共感呪術 きょうかんじゅじゅつ 定義】イギリスの人類学者であり「金枝篇」の著者フレーザー(1854~1941)の用語。彼の提唱した呪術の二大区分,類感呪術(Homoeopathic)と感染呪術(Contagious)とを総括した概念。 【フレーザーの呪術論】フレーザ一は“呪術”と“宗教”とを明確に区分した。彼によれば,〈自然の運行と人間の生命の動きに命令しそれを支配すると信ぜられる超人間的な諸々の力に対する宥和または慰撫にほかならない〉宗教と対照的に,呪術は科学と共通した世界観をもっており,それは〈現象の因果継起は不変の法則によって決定され,その法則の効果が正確に予断され計算されうるがゆえに,完全に合理的であるとともに確実である〉という信念にもとづいている。しかしながら,“正しい”自然認識を基盤とする科学的法則性とは異なり,呪術は“誤った”自然認識から派生してきており,その意味で“偽科学”