ファインアート写真市場の中心地は米国ニューヨークだ。毎年、春と秋に大手業者による「Photographs」オークションが開催されるとともに、写真取り扱いディーラーの団体「The Association of International Photography Art Dealers」(AIPAD)主催のフォトフェアも開催されている。フランスでは世界的なフォトフェアのパリフォトが開催され、多くの来場者を集めている。しかし現地の観客の多くは写真鑑賞が主目的、作品を購入するのは米国などから訪れる海外客が中心なのだ。写真がファインアート作品として売れるようになるには、米国市場での認知度アップが極めて重要となる。 ジャンルー・シーフ(1933-2000)は、ファッション、広告、ヌード、ルポルタージュ、ポートレート、風景と幅広い分野で国際的に活躍した写真家だった。しかし、彼はフランス、日本では人気があ