1994年、岡田繁幸氏(右)と父、善哉の墓参りへ。若き日に思った通り、岡田氏とは一生の付き合いとなった (岡田繁幸氏提供) 父の吉田善哉が衝動買いした米国ケンタッキー州の牧場、フォンテンブローファームで場長として過ごした4年間は、採算が取れず悩みながらも、馬乗りも生産も経営も全て、若さゆえの一生懸命さで乗り切りました。 もちろん、楽しみも喜びもありました。北米3歳王者に輝いたワジマが走るときは喜び勇んで競馬場へ行ったし、アーサー・ハンコックと出会えたのも幸運でした。そして、私と同じ日本の若きホースマンとの出会いも大きな財産になりましたね。 1973年7月、キーンランドのせりで1歳のワジマを当時の史上最高価格の60万ドルで落札直後、預けていたクレイボーンファームに馬を見に行ったときでした。「面白い日本人がいるよ」と牧場のスタッフに言われたのです。 「オカーダ!」と従業員が笑いながら呼ぶと、厩