原文はこちら 経済格差の拡大についてあらゆる人々が話題にし、そして非難しているようだ。国際NGO(非政府組織)のオックスファムが、世界の富豪62人の保有資産は豊かではない36億人分に相当するとの衝撃的な統計を最近公表したことで、米国のバーニー・サンダースや英国のジェレミー・コービンのような左翼寄りの人物に対する大衆の支持が高まっている。 しかし、こうしたイデオロギー主導型の議論は、非常に複雑な問題を単純化しすぎてしまう。 ピケティの「誤り」 経済格差の議論では今日、フランスの経済学者トマ・ピケティの2014年の著作「21世紀の資本」がよく引用される。この本には主要な3つのポイントがある。第1に、所得に対する資産の比率は過去30年以上、着実に上昇している。第2に、資産の総収益率が所得の増加を上回り続ければ、必然的に資産の集中は加速する。第3に、この不平等の高まりが社会を崩壊させる前に、資産へ
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