ブルガリア・ガブロボの産科病棟(2022年9月13日撮影)。(c)Nikolay DOYCHINOV / AFP 【10月19日 AFP】人けのない廊下、ベビーベッドには赤ちゃんが8人だけ──。ブルガリアの都市ガブロボ(Gabrovo)の産科病棟は、欧州連合(EU)最貧国の急激な出生率低下を象徴している。 小児科医ビストラ・カンブロバ氏(68)は「出産適齢期の人はあまり残っていない。若い人は職を求め、大都市や海外に行ってしまった」と、AFPに語った。 バルカン(Balkan)山脈の麓に位置するガブロボは、かつては工業が盛んだった。「ブルガリアのマンチェスター(Bulgarian Manchester、英国の産業都市)」と呼ばれたこともある。しかし、1985年に比べ、人口は半減した。 ブルガリアではありふれた話だ。 汚職がまん延し、将来に期待が持てない、政治危機も連鎖。幻滅した若者は去ってい