安倍晋三首相が消費税率引き上げによる消費の落ち込みを避けるため、キャッシュレス決済時の5%ポイント還元を打ち出した。 税率引き上げ幅を上回る「大盤振る舞い」(公明党幹部)で、実質的な「減税」との声が自民党から上がる。苦戦が予想される来年夏の参院選や、これに先立つ統一地方選への対策とする思惑が濃厚で、財政規律への懸念が強まりそうだ。 「デフレ脱却への一つの試練であり、思い切った対策をしっかり行いたい」。首相は22日、首相官邸で自民党の岸田文雄政調会長から党の消費税増税対策の提言を受け取ると、こう力を込めた。 政府・与党内では、ポイント還元率について増税分と同じ2%程度との見方が支配的で、首相の表明に驚きが広がった。首相の念頭には2014年の税率8%への引き上げ後、消費の回復が遅れたことがあったとみられる。政権幹部は「インパクトは大きい方がいい」と説明。自民党関係者は「参院選で絶対プラスに働く