【ソウル=中川孝之】韓国で全寮制のろうあ学校の校長らが、生徒に性的暴行を加えた実話を題材にした映画「トガニ(るつぼ)」が公開され、韓国社会を揺るがしている。 閉ざされた施設で被害申告が難しい障害者を狙った悪質さや、処罰の軽さを告発した内容に世論が沸騰、障害者保護に向けた法改正を求める署名活動が行われ、政府も対策に乗り出した。 事件は2005年に内部告発で発覚。南西部・光州(クァンジュ)市の社会福祉法人が運営する学校で、教員ら6人が10代前半の女児らに対し、日常的に犯行に及んでいた。うち2人は実刑判決を受けたが、校長らは公訴時効の成立や、被害者側の告訴取り下げを理由に執行猶予になった。映画では、校長らが被害者の祖母に大金を渡し告訴を取り下げさせた場面の描写もある。9月22日の公開から、観客動員は417万人を突破している。 公開後、犯行に関わった教員が現在も同校に在籍していることもわかり、警察