手足のまひなどが起きる難病「多発性硬化症」の原因となる中枢神経の炎症を、腸内にある免疫細胞が抑えることをマウス実験で確認したと、国立精神・神経医療研究センターの山村隆・免疫研究部長(神経免疫学)らのチームが英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ電子版に発表した。人の腸にもこの免疫細胞が存在すると考えられ、予防・治療法の開発につながる可能性があるという。 山村部長らのこれまでの研究で、多発性硬化症の患者は健常者と比べ、腸内細菌の種類が偏っていることが分かっている。腸内環境が病気の発症に関わっている可能性が指摘されていた。