「ローテク電子政府」とは何か。おそらく,こんな言葉は初耳だという人も少なからずいるだろう。政府の電子政府政策に出てくる言葉ではない。早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授の野口悠紀雄氏によって提唱されたものである(注)。筆者は,このコンセプトは当面の電子政府の方向性として正しいと思う。そこで,野口氏とは一面識もないが,勝手に紹介させていただくことにする。 (注)「せめて『ローテク電子政府』を作ってほしい」(『ダイヤモンド・オンライン』2008年01月21日) 「提出必要用紙をウェブを通じて入手し,必要ならその他の書類を追加して郵送することにより届出が完了する」――野口氏は,ローテク電子政府についてこう定義する。一方で,国税庁の「所得税の確定申告書作成コーナー」についてもローテク電子政府の例として挙げていることから,野口氏の提唱する「ローテク電子政府」には次の2段階のレベルが存在すると考えら
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