2017/08/31 北川 眞也 一昨年、ミラノで万国博覧会(Expo Milano 2015)が開催されたことを覚えているだろうか。2015年5月1日から10月31日にかけて催されたそれには、2,000万人以上の人びとが訪れたそうだ。日本のメディアでは、日本館の人気がすごかったという話ばかりだったように記憶している。ちなみに、この万博のテーマは、「地球に食料を、生命にエネルギーを」であった。当初、ミラノ万博は、かつての経済や技術の発展を主題としてきた万博とは異なり、発展の限界についての「グリーン万博」として開催されるべきだという意見も提出されていた。万博会場などの基本計画の作成に関わったステーファノ・ボエーリのような有名建築家も、経済危機における飢餓や貧困、食糧供給の持続性、気候変動の問題などが主題となることを期待していたようだ。そして現在、かれらは言う。「万博は見事に成功した」と。 し