正しい方向へ一歩前進するたびに、新たな問題の火種が生じる公共図書館での電子書籍貸出。かなり昔に提案されたソリューションとともに、著者や出版社の利益保護をめぐる最初の議論が行われてから数年が経過したが、電子書籍の貸し出しを行うことは、公共図書館を苦しめているようにすら感じられる。 新刊本を電子書籍で借りるために利用者が図書館を訪れる必要のある英国での調査を目的とした最近のパイロットプログラムと、図書館向け電子書籍価格が数百%の暴騰を起こしているというリポートを考えると、どうしても図書館が攻撃を受けているように感じてしまう。しかしここで考えたいのは、無関心な行政や予算削減といった話ではなく、出版社自体だ。 出版社に図書館向け電子書籍を一般消費者向け電子書籍と同程度の価格で提供するよう求める法案がメリーランド州とコネチカット州で提案されたのが2013年のこと。現状、図書館向け電子書籍の価格設定は
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