現在の米国中央情報局(CIA)の前身にあたる組織「米国戦略情報局(OSS)」は1944年「Simple Sabotage Field Manual(妨害工作のための簡易な野戦教本、以下サボタージュ・マニュアル)」という興味深い名前の文書を作成した。 これは、敵国で米国の利益のためにサボタージュ(妨害工作)を実行する、その国の工作員(米国への協力者)に向けたガイドとして作られたマニュアルだ。工作員に対して妨害工作の手段を教え、連合国が第二次世界大戦で勝利するための後押しとする狙いがあった。 このマニュアルには、電力や鉄道、通信手段を含む、幅広い妨害工作が記されている。だが、現代のオフィスワーカーである我々にとって最も参考になると思われるのは「組織と生産への一般的な妨害」を扱ったセクションだ。ここで取り上げられている多数のテクニックの中から、特に筆者の目にとまった「ミーティングの進行を妨害する