オスが出産する唯一の動物 これだけ産んでも、生き残るのは0.5パーセント以下。つまり、10匹足らずだ。タツノオトシゴの生息数についての資料は少ないものの、サンゴ礁の減少や環境汚染、また、主にアジアにおける乱獲により、ほぼ世界中に分布する35種類のうち、一部のタツノオトシゴは絶滅の危機に瀕している。 こんな見た目でも、タツノオトシゴはヨウジウオという魚の仲間だ。ほかの魚類と異なり、一夫一婦制で、一生に1匹の相手とだけ交尾をする。オスのお腹には育児嚢(いくじのう)という袋があり、メスがこの袋に卵を産みつけ、オスが受精させてから2~4週間後に、ほぼ自分と同じ姿をした子どもを出産する。 オスが妊娠して子どもを産む唯一の動物であるタツノオトシゴ。種によって異なるが、一度に最大で2000匹もの稚魚を産むオスもいる。その貴重な出産シーンの撮影に成功した。