昨今はどこの街にもスターバックスばかり出来て画一化著しくつまらない今日この頃だが、喫茶店のチェーン店化が進む一方で忘れられそうになっている「純喫茶」の存在を貴方は知らないだろうか。もしかすると、そもそも純喫茶とは何なのかという説明から始める必要があるかも知れない。 純喫茶とは、酒類を扱わずホステスによる接客を行わない純粋な喫茶店という意味で使われていた言葉である。 時代を遡ると戦後間近の昭和33年、売春防止法施行により赤線が廃止される前後、遊郭が特殊喫茶「カフェー」名目で営業を続けていた。その特殊喫茶(深夜喫茶、美人喫茶とも言われていた)に対する呼称として「純喫茶」と呼ばれていたものだ。 つまり喫茶という業態の店に対するいかがわしいイメージを廃するための「純」なんですね。しかし中年世代以降の我々にはそんな経緯があったことなど調べてみるまで知る由もなかったであろう。 今では純喫茶という言葉は