あまりに山奥なので「四国のチベット」といわれる徳島県那賀町に、「世界一美しいコンビニ」がある。立ち上げたのは、この地で生まれ育った電子書籍取次大手メディアドゥの藤田恭嗣やすし社長だ。なぜ古里にコンビニをつくったのか。ジャーナリストの牧野洋さんがリポートする――。(第12回) 「四国のチベット」に現れる未来的建築物 高い山々に囲まれて「四国のチベット」とも呼ばれる徳島県・那賀町なかちょう木頭きとう地区。ここをドライブしていると、大自然の中で美しく輝く未来的建築物が目に飛び込んできてハッとさせられる。 その名もずばり「未来コンビニ」。食品や日用品のほか、名産であるユズの加工品などの土産物も販売している。立地場所が人口1000人足らずの限界集落でありながらも、2020年4月の開店から3年間で延べ27万人が来店し、このうちざっと半数が買い物をしている。 その多くが観光客だ。駐車場には県外ナンバーの