「沖縄は日本ですか」。本島中部に住む60代男性は問う。約60年前、まだ10代だった姉が米兵に暴行された。その後ずっと、米軍基地があるゆえに女性の尊厳が踏みにじられ続け、今月那覇市でまた同じことが起きた。怒りを胸に、名護市辺野古のキャンプ・シュワブゲート前で21日開かれる抗議集会に足を運ぶ。(北部報道部・阿部岳) 姉は事件後長い間、1畳ほどの裏座敷に引きこもり、男性は顔を合わせることも話すこともなかった。周囲の大人からは「精神を病んでいる」と聞かされてきた。 事件当時まだ物心がついていなかった男性が真実を知ったのは、ほんの10年ほど前。年老いた母が、介護のさなかに「本当は違うんだよ」と漏らした。 事件が起きた自宅には父も長兄もいたという。男性が思わず「何もしないで見ていたのか」と責めると、母は「抵抗したら殺される」と、実際にそうなった近所の家の名前を出した。 「姉が病んだまねをしなきゃいけな