お金を稼がなければ会社は成り立たない 私が「お金に無頓着」と言っても、それは私生活上の話であって、反対に仕事上は現金は見ないけれども、帳面上の大金との戦いでした。それはそうでしょう。お金を稼がなければ会社は成り立たないし、借金をすれば返さなければいけません。お金が儲もうからないような商売が多くては、社員が路頭に迷うことは言うまでもないことです。 ニューヨーク駐在時代は、仕事として穀物相場を手掛けていましたし、副社長時代に手掛けた大きな仕事は、コンビニ大手ファミリーマートの買収(M&A)、すなわち現金を手にとって見ない、大金での戦いです。 バブルが崩壊して、不良資産を抱えて商社が儲からなくなってきたころから、私は商社の「利益の根源はどこにあるか」を考えていました。 商社が農産物や鉄、石炭といった生産資源を海外から買い付けて売る「原料の運び屋」として利益を得る時代は終わったんじゃないか。今まで