「母になるなら、流山市。」――。ここ数年、都内の主要駅などでこのようなポスターを見掛けた人もいるのではないだろうか。子育てしやすい街をアピールし、移住を促したい千葉県流山市のイメージ広告だ。自治体がこのような広告を展開するのは珍しい。 流山市には広告の企画や作成などを担う「マーケティング室」という組織があり、この部隊が若い世帯にターゲットを絞り、誘致に奮闘しているのだ。 千葉県の北西部に位置する流山市は大きな企業や商業施設が少なく、住民の高齢化も進んでいた。ただ、最近は総人口が右肩上がりの状態。現在16万8000人と2005年に比べて1万人も増えている。特に、30歳代の若いファミリー世帯がグングン増加中だ。 流山市に何が起きているのか。民間シンクタンク出身者で、市の改革の原動力である井崎義治市長を直撃した。 ――井崎市長は「日本一快適で住みやすい街にする」などの目標を掲げ、改革を進