「知人が性暴力に遭った。詳しい弁護士さんを知りませんか?」 ときどき、筆者の元にそんな相談が持ち込まれることがある。性暴力の被害に遭ったとき、各都道府県にある性暴力ワンストップセンターや被害者支援センターに相談すれば、対応に長けた弁護士を紹介してもらえることがある。 そのような紹介がなければ、一般の人にとって「弁護士への相談」は少しハードルが高く感じるだろう。また、弁護士というと「加害者弁護」のイメージが強く、犯罪被害に遭った側が弁護士に相談する必要を知らない人もいる。しかし、被害者への法的支援は、医療支援・心理面での支援と同じく必要なことだ。 内閣府調査(平成29年度)では、女性の13人に1人、男性の67人に1人が、「無理やり性交などをされた経験がある」と答えている。性暴力被害は決して他人事ではなく、誰もが相談先などを知っておいた方が良い。 犯罪被害者支援に取り組む弁護士のひとり、小野章