日本の半導体メモリは韓国企業に駆逐された 2021年6月1日午前9時、筆者は、衆議院の分館4階第18委員室の参考人席に着席していた。衆議院の「科学技術・イノベーション推進特別委員会」から、半導体の専門家として参考人招致を受け、「日本半導体産業の過去を振り返り、分析、反省し、その上で将来どうしたらいいか?」について、意見陳述を行うよう要請されたからだ。 筆者は20分強の意見陳述で、主として次の3点を論じた。
「円安のメリットはまったくない」 円安によるデメリットが大きくなっていることは、円安の進行にともなう経済界の反応を見れば一目瞭然です。円安が急ピッチで進んだことを受けて、多くの関係者がいっせいに円安に対して懸念を表明したからです。 ユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井正社長は、2022年4月に行われた決算発表において「円安のメリットはまったくない」「これ以上、円安が続くと日本の財政に悪影響」と発言しています。 日本商工会議所の三村明夫会頭も、中小企業の多くが円安による悪影響を受けているとして「日本経済にとって良くない」との見解を示しました。鈴木俊一財務相に至っては、「円安が進んで輸入品等が高騰している。悪い円安と言える」とかなり踏み込んだ発言をしています。 多くの国民を苦しめる「悪い円安」 為替の上下についてはメリットとデメリットがあり、厳密に言えば、「良い円安」も「悪い円安」も
災害時に落ち着いて行動するには「水、ライト、ラジオ」 「災害に備えて何か用意するものはある?」と聞かれたら、私は、「水、ライト、ラジオ」の3点をまず答えます。 理由は、 「清潔できれいな飲料水がないと脱水症状で倒れる」 「光がないと精神的に不安定になる」 「正確な情報がないとデマに流される」 からです。災害時に落ち着いて行動するために、まずはこの3点を準備しておきましょう。 また、もし水害から逃げ遅れて屋根などに避難する場合、なるべく明るい服を着て、できれば水分、懐中電灯、ラジオに加えて毛布を用意しましょう。水分は脱水を防ぐため、ライトは夜間の発見率を上げるため、ラジオは最新の情報を得るため、毛布は低体温症から身を守るために必要です。 「身体を温めることが第一優先」を覚えてほしい 次に、被災時に生き延びるために、「3分・3時間・3日・3週間」を覚えておいてください。これは、「空気・体温・水
「外観は公共のもの」という考え方 ――コロナ禍に見出すポジティブな面ということでいうと、日本は「自粛の要請」というかたちで中国や欧米のように都市をロックダウンせず、私権を極端に制限しないで対応してきたことを政府は誇っています。もちろん、これは評価が分かれるところですが……。片や、本書の3章のリレー・エッセイでお二人とも触れているように、日本の都市は欧米に比べて規制が緩く、自由なデザインの建築が多いという面もありますよね。そこで、あらためて公と私の関係や、「自由」というものについてご意見をお願いいたします。 【井上】青木さんが本書の3章で触れていた、フランスから来た留学生のエピソードが印象的です。ファサード(外観)は設計者のものじゃなく、公共のものだというふうに彼らは考えている。これには、ああなるほどと思いました。 【青木】ロンドンで、水上に建つ建築を建て替えるというプロジェクトを設計したこ
国債買い入れの上限の「めど」までも撤廃 去る12月21日(月)に決定した、わが国の2021(令和3)年度一般会計予算政府案の規模は106兆6097億円と、またしても史上最大規模を更新した。 いかにコロナ危機下とはいえ、膨らむ一方の歳出に対して、そのコストは国民のうちの誰がいつどういう税の形で納めて負担するのか、という議論には全く手付かずのままで、歳出の積み増しはすべて国債の増発で賄う格好となっている。にもかかわらず、国内ではおよそ危機感に乏しいのが実態だろう。 すでに財政は“世界最悪”の状態にあるわが国で、それでもなお、こうした政策運営を延々と続けることができているのはなぜか。それはひとえに、黒田総裁率いる日銀がすでに7年以上の長期にわたり、「量的・質的金融緩和」という“事実上の財政ファイナンス”を継続していることによる。 コロナ危機下にあった本年4月に日銀は、従前設けていた「年間80兆円
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