先日、父方のじいさんが死んだ。 俺自身、元々じいさんとはあまり反りが合わず、小さい頃は小遣い欲しさによくじいさんの家に行っていたのだけど、俺が大人になるにつれ俺自身の反抗期とじいさん自身の痴呆の進行、そしてお互いの適当な性格も加わり、磁石のS極とS極みたいに反発しあってとてもまともな会話にならなかったので、正直病院に顔を見にいくことすら気が進まなかった。それでもいざ「死んだ」と聞かされるとやっぱり思うところはある。 葬式はけっこう盛大に行われて、じいさんは90の大往生と言える死に様で身内もそこまで落ち込むこともなく、あっけからんした式になった。 通夜が終わると坊さんが身内の前で説教をはじめて、前列に座っていた母方のばあさんを見つめながら、 「旦那さんも90年という長い人生のなかで奥さんみたいな最愛の人と出会えて幸せだったと思います…」 とか言いはじめて、身内全員が心のなかで「そっちじゃねぇ