【ニューデリー=田北真樹子】インドの首都ニューデリーで13日、イスラエル大使館員の妻が乗った車が爆発した事件は、イランの関与が指摘され、イラン、イスラエル両国と友好関係を持つインドを困惑させている。仮にイランの関与が立証されれば、同国との関係見直しを求める声がインド内外から強まりそうだ。 事件について、イスラエルのネタニヤフ首相は、「イランが背後にいる」と断言しているが、インド政府は総じてイランを名指しすることを避けている。インドはイランと関係拡大をさらに図ろうとしているだけに、関係発展の障害としたくない思惑がうかがえる。 インドにとってパキスタンとアフガニスタンに隣接するイランは戦略的な重要性を持つほか、莫(ばく)大(だい)なエネルギー需要を支える第2位の原油輸入先である。 欧米諸国は核開発疑惑でイランへの制裁強化を進めているが、インド政府は近日中に大規模ビジネス訪問団をイランに派遣する