ゴオォォと音が響いた。 東北電力女川原子力発電所の心臓部、中央制御室。壁際に並んだ制御盤はボルトで床に留めてある。建屋が振動する音に、制御盤と床が共振する音が加わって、大音響となった。 昨年3月11日午後2時46分、地震発生。 女川原発は震度6弱の激震に見舞われた。原子炉は3基ある。1号機と3号機は運転中。2号機は定期検査で起動中だった。 桜庭達幸・発電部長は当時「原子炉主任技術者」。運転を監督する技術者で、2号機の起動を見守るため、制御建屋=図中(1)=の中央制御室にいた。 隣接する1、2号機の中央制御室は同じ室内にある。計12人の社員がいた。 桜庭さんは体を机の下へ潜り込ませ、少しだけ顔を出し、上方にある1号機の制御盤を見た。 原子炉の自動停止を知らせる赤色の警報ランプが点滅した。反対側の2号機のランプも点滅した。 その後も揺れは続く。 「これだけ長く揺さぶられて設備
「湯沢町のためにも、新潟県のためにも、再稼働は容認できない」。今月21日、湯沢町議会で提案された「(東京電力)柏崎刈羽原子力発電所の再稼働を認めないための決議案」。議員11人中9人が賛成し、可決された。同原発の再稼働の反対決議は県内の自治体で初めてという。発案した半沢利貞議員(70)は「危険性を誰かが訴えていかないといけない。『よく言ってくれた』とすごい反響だった」と話した。 ◇ 東電福島第1原発事故を受け、原発の安全性への疑問の声が高まっている。決議では、特に断層が問題視され、「地震王国と言われる日本で、地震の破砕帯の上に建つ発電所とも言われ、危険この上ない」と指摘した。 断層についての検討は原発の安全性を考える上で一番の基礎だ。地質学の専門家からも今月7日、これまでの東電による調査の見直しを求める意見が上がった。 経済産業省原子力安全・保安院が設置する地質学の専門家会議。東電が柏崎刈羽
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