WBS(Work Breakdown Structure)はプロジェクト・マネジメントの根幹をなす基準情報だ。プロジェクトの遂行に必要な全てのワークを階層的に構成したもので、通常はそれに整理番号を付番する。WBSはプロジェクトの計画段階で作成し、ワーク・スコープと、コスト見積と、作業期間(工数)見積のベースになる。そして遂行段階では、作業指示と進捗コントロール(コスト・スケジュール・スコープ変更)のマスタ・リストとして用いられる。終結段階ではWBSはデータ収集と分析のキー情報となる。 それくらい重要な概念であるWBSは、にもかかわらず良い参考書に恵まれていない。WBSが生まれたのは1960年代だから、ずいぶんと長いこと空白時代が続いていたわけだ。プロジェクト・マネジメントの標準的教科書PMBOK Guideも、2000年版まではWBSについてほとんど何も語っていない。したがって、本書が訳出
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