気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン CSR(コーポレート・ソーシャル・レスポンスビリティ、企業の社会的責任)という言葉が普及して久しく感じます。 私は以前から、大手企業を中心に発表されるCSRレポートに、ある種の疑問と違和感を抱いていました。本業での社会貢献や地球環境への配慮はいいのですが、本業とは別の部分でのさまざまな社会貢献が高らかにうたわれているのです。 どこそこの国や地域、支援団体、NPOに寄付をしている。あるいは○○という社会人やプロのスポーツチームを運営、支援している。△△という文化団体を運営、支援している。 昨年秋からの世界的な不況によって、多くの社会人スポーツチームが廃部や撤退を余儀なくされました。女子サッカー、アイスホッケー、バレーボール、モータースポーツのF
読者の皆さんが「これが正しい、これが常識だ、このビジネスはこのような仕組みなのだ」と信じていることが、実は単なる思い込みかもしれないと言われたらどう思われるだろう。 思い込むことは怖いことなのだ。 『学士会会報』平成21年9月号に「思い込みの怖さ」という記事を書いたのは、九州大学前総長の梶山千里先生だ。梶山先生には一度だけお会いしたことがある。MOT(技術経営)の会議の席だった。 「非常識を常識にするのがイノベーションであり、本当の研究開発だ」 このことを本当に理解して下さっている方である。その記事では、私の研究にも言及していただいた。私が30歳の時、船の波の研究者が思い込んでいた「船の波は線形である」という理論を覆し、「船の波は非線形なのだ」ということを発見して証明した研究だ。 その記事を読んで分かったことなのだが、梶山先生は専門の高分子化学の世界で、私よりももっと若い修士課程の学生の時
戦前の東京大学工学部船舶工学科は、航空学科と並んで人気トップの学科だった。船舶工学科の学生は3年生になると成績上位の5人ほどが当時の海軍に選抜されて海軍委託学生になる。様々な軍艦を設計し、軍事面の国際競争力を高めたのは彼らだった。 大正時代には、欧州の設計の模倣しかできなかったのに、昭和10年代には様々な艦種で独自設計の成果から高性能の軍艦が誕生し、供用されていった。 軍艦も工業製品である。優れた工業製品の裏には、優れた科学技術があるのが普通である。だから、戦艦大和を典型例とする優れた艦艇を送り出した裏には、優れた科学技術が1930年代の日本にあっただろうと想像するのが自然である。 しかし、事実は全く違うと言っていいだろう。 日本に優れた科学技術があったわけではない 私は29歳の時、東大に転職し、船の設計を中心的なテーマとする船舶工学第一講座で仕事を始めた。その頃、研究室が過去に取り組んで
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