瀧口範子(ジャーナリスト) 【第32回】 2009年02月10日 損しても最後に笑うのはアマゾン? 新型電子書籍端末「キンドル2」の正体 「アマゾンがキンドル2を発表」――。 2月9日のアメリカのビジネス・メディアは、この話題でもちきりになった。最初のバージョンからデザインがグッとおしゃれになり、さらに軽量かつ小型化。厚みはiPhoneの上を行く0.36インチ(0.91センチ)ながら、スクリーンは明瞭になった。ダウンロードできる書籍数も4倍近くの23万冊に増え、ページ繰りも素早い。発売予定は2月24日。 だが、今回の発表のポイントはそんなおしゃれなデバイスにあるのではない。ここでCEO(最高経営責任者)のジェフ・ベゾスが言及したある小さなせりふが、アマゾンのこれからのビジネスモデルをくっきりと浮かび上がらせたのだ。それは、書籍と雑誌メディアの未来のエコシステムの中核にアマゾンが陣取る