東京・神保町 茶房「喫茶去」(きっさこ) 「喫茶去」とは「ちょっと上がってお茶でもいかがですか」と いうような意味だそうだ。和の甘味屋さんのようにも見える。 この古びた建物は民家ではなく、元から喫茶店だったそうで 中に入ってすぐ見上げると、吹き抜けの上に2階席らしき 空間と柵が見える。味わい深いイイカンジの古さで、 最近作った"レトロっぽい物"とは一線を画す落ち着き。 注文があってから挽き始め、ネルドリップするコーヒーは ちょっと酸味のある、少し昔の本格的喫茶の味。 イタリアンの苦い味が流行だが、ここの「深煎りコーヒー」は 苦みと酸味が同等に感じられるバランスで、ブラックで 飲んでも味わい深い。 気さくに応じて下さるご主人も素敵だし、流れるジャズも。 本をゆっくり広げたくなる、そんな店。 日曜祝日休み 12時から20時営業 東京都千代田区神田神保町2ー24
昭和9年(1934)、四条小橋を南に少し下がった路地に、 西洋の街角で見かけるような、いきな喫茶店フランソアが開店、クラシック音楽とコーヒーの好きな若者を喜ばせた。 立野正一、高木四郎、イタリア人のベンチベニら若い芸術家仲間が設計、 ステンドグラスの窓、優雅な白い天井、赤いビロードの椅子、壁にかけられた「モナ・リザ」の複製など、 当初からサロン風の贅沢な喫茶店であった。 もっともオーナー立野の本当の意図はもっと高いところにあった。 戦時色が深まり自由な言論が困難になっていく時代に抗して、 反戦や前衛的な芸術を議論する場として、このフランソアを提供しようとしたのだった。 当時、先鋭な論調で知られた『土曜新聞』なども、ここに来ればいつでも手に入った。 寄稿者の多くがフランソアの常連だったのだ。 「野にすみれが自由に咲く時代である」と語りかけるその主張に、啓発され勇気づけられた若者も少なくなかっ
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