米スタンフォード大の名誉教授で経済学者の青木昌彦さんが15日、米西部で77歳で亡くなった。青木さんは、日本経済の比較制度分析で国際的な評価を受けた数少ない日本人経済学者である。青木さんの師匠であるレオニード・ハーヴィッツ氏がノーベル経済学賞を受賞した2007年に、青木さんも同時受賞してもおかしくなかった。 青木さんもハーヴィッツ氏も数理的な手法を使うので、数学出身の筆者にとって青木さんとの議論は楽しかった。 青木さんと知己を得たのは、筆者が米プリンストン大に留学している時だった。帰国後、国土交通省に出向した時、青木さんが経済産業省の独立行政法人、経済産業研究所所長を務めていたので、同研究所のコンサルティングフェローにしてもらった。出向先の国交省ではきちんと手続きしたが、親元の財務省は難色を示した。その時も、青木さんに助けられた。 その後、財務省の財務総合研究所と内閣府の経済社会総合研究所の