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ブックマーク / tanakahidetomi.hatenablog.com (102)

  • 根井雅弘『経済を読む ケネーからピケティまで』(日本経済評論社)、『経済学の3つの基本』(ちくまプリマ―新書)

    コメント欄に、根井雅弘氏と伊東光晴氏の文献目録みたいなのはないか、といういつもの匿名さんのフリーライドな書き込みがきていたので、少し自分のブログをググったら、意外と最近は根井氏の書いたものをブログには書いてなかったんだな、と思った。ゼミの輪読用には、なるべく自分とは違う意見のを採用するのだけど、去年は根井氏の『経済学歴史』(講談社学術文庫)を採用した。これはゼミの学生には独習ではかなり難しいレベルで、予想以上に格的な通史だった。 さらに去年、ノーベル経済学賞の実況中継をするために読んだ、橘木俊詔氏との共著『来るべき経済学のために』(人文書院)を再読した。初読のときの批評はここにある(酷評である)。また番組報道後に、根井氏編著の『ノーベル経済学賞』(講談社メチエ)も読んだ。これは便利なであった。 最近では二冊、『経済を読む』という根井氏の最近の時論をまとめたものと、経済学初心者に自分

  • 古い日銀に戻った方がいい人たちがそれなりに多いのはなぜか?:リーク(地ならし)問題異聞 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

    古い日銀のひとつのパターンは、リーク問題がある。これについて簡単にメモ書きをしよう。個人的にはこのリーク問題を重視してすでに20数年経過する。黒田日銀では、詳細な政策のなかみが事前に漏れることはほとんどなかった。だが植田日銀はそれを手段として利用しているし、また政府はそれを放任している。昔の日銀も金利とリークの二つの手段で、古い日銀なりの「物価安定」と「金融システムの安定」のふたつの目的を果たそうとしていた。その昔の状態に戻ったというわけだ。だが、古い日銀の「物価安定」とは、デフレ安定であり、「金融システムの安定」は金融市場で日銀に近い勢力を保護するということだった。そこには日経済や日で生活する人たちのことは発想外にあった。 さて植田日銀のリークは今回は、おはよう寺ちゃんでも時系列的に発言してきたが、だいたい2月29日(木)、3月1日(金)あたりで「日銀は三月の政策決定会合でマイナス金

    古い日銀に戻った方がいい人たちがそれなりに多いのはなぜか?:リーク(地ならし)問題異聞 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ
  • リベラルアーツと経済学史研究 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

    最近、自分の学的な背景を回顧するのではなく、専門研究をしている延長で気が付くことがあった。もともと学者になろうと思ったのは、大学二年生の時で、その時に福原嘉一郎先生の教養ゼミに入った。これは早稲田大学のとてもいい制度だと個人的には思っている。福原先生は旧制高校の最後の世代で、その伝統を自覚的に継承していた。ゼミナールは、単に知識を得る場ではなく、まさに人格的な陶冶を生み出す場だということが、福原先生が言うまでもなく(実際には当になにかお説教的なことはいわない人だった)自然とゼミの雰囲気になっていた。当の教養の場だったといえる。それにはさまざまな自由な雰囲気がなければならなかった。もちろん旧制高校はリベラルアーツとして位置づけられていたことの伝統を、なんらか福原ゼミで得ることができたのだと思う。この影響は自分の人生を考える中でも決定的だった。 三年生になって専門ゼミを選ぶ際にも、この福原

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  • 関東大震災当時の失業調査と物価、雇用データ

    『明治以降 邦主要経済統計』(日銀行統計局)を利用して、関東大震災のときを中心にいくつかデータをみてみたい。あくまでもこのから拾ったものであり最近の研究や再推計などは対象外である。 まず関東大震災による国富への被害は、当時の単位で東京府が約37億円(商品<在庫含む>が約17億円、建物が11億円など)で筆頭であり、そのほかの地域を含めると約55億円になる。皇室財産の被害額抜かすと約52億円。 当時の国富総額が大正8年(1919年)調査の国富(皇室財産などを抜かす)と時価で約900億円だったので約6%の被害だったことがわかる。当時の国民所得は1923年の名目GNPが140億ほど、実質GNPが118億円ほど(大川推計)。 GDPデフレーターでみると1919年のいわゆる「大正バブル」の崩壊以後は以下のようになる。 1917年ー33年までのGDPデフレーター これをみると震災以降、翌年は震災復

    関東大震災当時の失業調査と物価、雇用データ
  • 山田雄三研究とキャンセルカルチャー問題 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

    最近は、LGBT問題をめぐるキャンセルカルチャーやwoke問題について書いたり、発言しているが、それは個人的には山田雄三の価値多元の経済学についての専門研究の延長である。 最近の山田雄三の研究は以下。 山田雄三と日の厚生経済学歴史経済学史学会関東部会) https://researchmap.jp/hidetomitanaka/presentations/42666815 キャンセルカルチャーLGBT問題に特に関連して)とwoke問題について。 (1)不寛容な時代に抗う言論は~肥大化するキャンセルカルチャー問題を考える 田中秀臣, 栗原裕一郎:週刊読書人トークイベント 2023年7月28日 以下に栗原さんの大幅加筆で以下に掲載(予定 8月18日から)。 https://jinnet.dokushojin.com/ (2)論説「LGBT問題で社会の分断煽る「活動家」 断固として抗すべ

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  • 岩田規久男『経済学的思考のすすめ』“将来の世代の負担が生まれるのは日本銀行のせいだ”

    岩田規久男先生の『経済学的思考のすすめ』は素晴らしいである。特に財政再建問題の中核がなんであるかを詳細に議論している。と同時に「素人経済学」の代表である辛坊兄弟の著作を徹底的に批判していることも特徴のひとつだ。 さて書にはデフレ脱却問題を中心に、さまざまな経済問題について、素人経済学の直観的考察を次々に論駁している。中でもためになるのが、財政再建に関しての記述だ。多くの素人経済学は、財政再建を人質にとり、危機感をあおっている。しかしその多くがインチキくさいものである。ここでは財政再建問題についてのいくつかのトピックスのうち、「国債は将来世代の負担になるのか」というテーマをみていく。 財務省も多くの素人経済学も「国債は将来世代の負担になり、政府サービスの受益と負担に関する世代間不公平の原因になる」と喧伝している。テレビや新聞などでもよく目にするタイプだ。中には国の会計を家の家計と同一視す

    岩田規久男『経済学的思考のすすめ』“将来の世代の負担が生まれるのは日本銀行のせいだ”
  • 論説「コロナ禍でも踏ん張れるアベノミクス2800日の「レガシー」」by田中秀臣in iRONNA - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

    毎週の論説です。今回は、安倍総理の2800日の貢献を、経済政策に絞って書いてみました。もちろん「失政」もあるのですが、この論説では評価すべき点を詳細に書きました。そして最近の病状を心ない仕方でとりあげる人たちを批判しています。ぜひお読みください。 (2022.7.9追記)iRONNAが終了してしまっているため、元原稿をそのまま掲載します。題名は、毎回そうでしたが編集サイドの判断だけでつけたものです。以下の題名はもともと私がつけたものです。 総理大臣、連続在任最長とアベノミクス 安倍晋三首相の連続在任記録が24日に2799日の史上最長になった。安倍首相の大叔父にあたる佐藤栄作元首相を抜く記録である。佐藤政権の時代は高度経済成長の後期にちょうど該当し、筆者もその時代はよく記憶している。特に政権の最終局面では、国内のマスコミや世論から単に長期政権だというだけで批判をうけていた側面がある。国外では

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  • 谷沢永一逝去、『高橋亀吉 エコノミストの気概』再考

    谷沢永一氏がお亡くなりになりました。ご冥福をお祈りします。文献考証的な面で僕の研究分野と接点があるいくつかの研究がありますが、やはり最も注目したものは、03年に出た『高橋亀吉 エコノミストの気概』です。以下ではこの著作の内容を振り返りたいと思います。 この著作は、評論家として筆一で生活し、戦前から戦後まで長い時代に活躍したエコノミスト高橋亀吉の事跡を追うことで、おそらく谷沢氏自身の生活、評論活動を自省する試みであった。 「世には評論家と呼ばれたり名乗ったり、数え切れないほど同業者は知られているけれども、実際のところそのほとんどは、大樹の陰に宿って固定給にありついている」 だからサラリーマンの気楽な稼業として評論をやっている。それに対して高橋亀吉は身銭をきって眼光を光らせて、資料を精査し、「高橋学派」とでもいうべき彼個人だけの主張を構築したのだ。 「私は独立独歩の高橋亀吉を敬愛する。そして

    谷沢永一逝去、『高橋亀吉 エコノミストの気概』再考
  • 山川賢一ワールド大研究ー日本アニメと悪堕ちループ(10月18日夜、山川賢一、稲葉振一郎、田中秀臣)で言及した作品

    日のトークイベント。個人的には大変勉強になりました。特に虚淵玄氏の作品『PSYCHO-PASSサイコパス』と『魔法少女まどか☆マギカ』の対比で、前者が「悪堕ちループ」という物語なのに対して、後者は「悪堕ちループ」という物語の構造をメタ的視点から語るものになっているという視点は面白かったです。その元祖的な位置づけとしての永井豪の作品への言及など。また「悪堕ちループ」という鋳型がどこに遡れるのか、という視点での「制御された進化」(への反発)や、清算主義的な発想への関連など。そしてルール改変者が消滅していくという「消滅論」の文脈からみたときの映画版「まどマギ」の新編での「神→人間」への生還(?)の意味について。この最後は今回でも意味づけが論者間でされきってない未完の論点ですが。いろいろ勉強になったなあ、と思います。最後の東浩紀の営為についての評価も個人的にはとても見通しができて参考になりました

    山川賢一ワールド大研究ー日本アニメと悪堕ちループ(10月18日夜、山川賢一、稲葉振一郎、田中秀臣)で言及した作品
  • 「アベノミクスはトリクルダウンを狙って一部の人にしか恩恵を与えない政策だ」と首相や浜田宏一先生を利用して嘘をつき続ける人たち

    アベノミクス、その中の金融緩和政策についての評価で、「アベノミクスはトリクルダウンを狙って一部の人にしか恩恵を与えない政策だ」というのが、繰り返し悪意、無知、そしてネットではここが多いがただの愉快犯という幼稚な心性で広まっている。正直、そこらへんのネットの愉快犯は無視して差し支えない。それに騙される人たちはググることさえもしないレベルなので、申し訳ないが自業自得である。 ただもしこのブログに行きついた人がいれば、上記のような嘘に騙されないほうがいい。 まずそもそも安倍首相自身がアベノミクスがトリクルダウンだということを否定している。以下は2015年の報道で、国会での発言から。動画もある。 トリクルダウンでなく、経済の好循環目指す=安倍首相 https://jp.reuters.com/article/abe-economy-idJPKBN0L10CT20150128 動画も さらに浜田宏一

    「アベノミクスはトリクルダウンを狙って一部の人にしか恩恵を与えない政策だ」と首相や浜田宏一先生を利用して嘘をつき続ける人たち
  • 「アベノミクスはトリクルダウンだ」説の間違い - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

    しばしばネットでもまたが識者たちの意見でも腐るほど聴くのが、「アベノミクスはトリクルダウンだ」という間違った説である。これについては、私たちは『「30万人都市」が日を救う!』(藤原書店)や若田部昌澄『ネオアベノミクスの論点』(PHP)などの中で、「アベノミクスはトリクルダウンだ」という誤謬を正してきた。また学会ベースでもそれらの言説に対して批判論文を書いて寄稿している。 以下ではiRONNAに寄稿した論説から一部分を抜き出して解説しておく。 増税先送りは当然! 消費減税こそ日経済を救う http://ironna.jp/article/3028 またしばしば「アベノミクスはトリクルダウン理論に依存している政策だ」という批判を目にする。この「トリクルダウン理論」というのは、富裕層や大企業が(アベノミクスの成果である)株高や円安によって儲けることで、その「おこぼれ」が所得中間層から下位層に

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  • 「財政危機ってどれくらい深刻?」in schoo「ギモンの法則」のまとめと未利用パワポ - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

    schooでは脱線多すぎてパワポの2割ほどしか利用できませんでしたので、利用しなかったごく一部を以下に。放送された全体はネコっちの絶妙なまとめ画を。 番組自体はこちら https://schoo.jp/class/7712 Schoo『ギモンの法則 -再起を目指すよさこいチームのギモン-(第4回)財政危機ってどのくらい深刻?』 #ギモンの法則 #Schoo #グラレコ@schoo_inc @aoixx201 @gimon_no_hosoku @zoffy_ueda @zoffy_x pic.twitter.com/gKCQyNe8BY — ネコっち | 超速グラレコで内なる才能と熱量を見える化する (@flytetyme2) 2021年2月25日 日銀入れた統合政府でのポイントは徴税権の扱いと時間またいだ統合政府の予算制約とMMT的発想との相違など。三枚目と四枚目が特に重要。

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  • IMFや各国政策当事者など、世界は積極財政政策に完全に転じた、日本の財政危機論者は去るべし - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

    どんどん財政政策すべき、とかいうと「もう財政危機が起きるか心配」という人がわりといる。テレビの見過ぎか財務省のことを考え過ぎだろう。かの財政規律では悪名高いIMFでさえ、次のように各国の新型コロナ危機対策をまとめ、ぜんぜん財政心配ないといっている。三枚のパワポにまとめたのでご参照を。 参考記事: コロナ支援尚早に終了なら世界経済にリスク=IMF専務理事 | ワールド | ニュース速報 | ニューズウィーク日版 オフィシャルサイト https://www.ft.com/content/0940e381-647a-4531-8787-e8c7dafbd885 「中国型」の財政政策、不確実性は追い風 - WSJ

    IMFや各国政策当事者など、世界は積極財政政策に完全に転じた、日本の財政危機論者は去るべし - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ
  • 浅田統一郎「「経済学の多様性」をめぐる覚書ーデフレと金融政策に関する特殊日本的な論争に関連させて」『経済学と経済教育の未来』

    学術会議が2013年11月に発表した「参照基準」(原案)は、簡単にいうとミクロ・マクロ経済学経済学の標準とする内容だった。これに対して様々な経済学の立場にたつ人たちや学会などが反発した。その結果、修正案では原案は政治的に「無害化」した内容になった。そのことはいいことだと思う。 様々な経済学がありそのいずれを選択する「自由」が確保されていると同時に、特に政策論では論理と事実に基づいてどの見解が望ましいのかという検証的論争は大切なことである。しかし論理にも事実にも基づかないトンデモ仮説が跋扈したのが、この10数年のいまも継続している日の金融政策をめぐるデフレ論争である。浅田さんは概ねこのような問題意識で、日のデフレ論争の特殊日的風土を解明している。 浅田論説では、日の過去20数年のデフレの状況とその主因に対する「事実」の解明、リフレ派の内実、リフレ派の三命題、デフレ派の三命題(事

    浅田統一郎「「経済学の多様性」をめぐる覚書ーデフレと金融政策に関する特殊日本的な論争に関連させて」『経済学と経済教育の未来』
  • 日本経済新聞の記事での「経済学界」は、日本の経済学界を代表してはいない。多様性が日本の経済学の特徴だ

    あまりにも酷いレベルの記事なのでここで紹介。 「かき消される進言 経済学界、安倍政権と溝 増税延期2度のトラウマ 」という日経済新聞の記事である。 http://www.nikkei.com/article/DGXLASGH07H1I_X10C16A8EA1000/ 記事の前半の労働市場改革でも、“日”の経済学会で合意なんかまったくできてない。そもそも日経済学会が日経済学の学界を代表してもいない。日経済学はいい意味でも最悪な意味でも(笑)、その多様性にある。 記事での大竹文雄さんやましてや後半の土居丈朗氏をあたかも「経済学界」の代表者とする記事はそれ自体ミスリーディングでしかない。 さらに「財政再建」という増税=緊縮主義が日経済学会のメインであるかぎり、単に現実の前に虚構(日経済学)が敗北しているだけだろう。 実際に2014年の消費増税を不可避とし、その景気への影響は軽

    日本経済新聞の記事での「経済学界」は、日本の経済学界を代表してはいない。多様性が日本の経済学の特徴だ
  • 岩田温『「リベラル」という病』(彩図社) - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

    岩田温さんから頂戴しました。感謝です。すでにSNSでも書いたのですが、岩田さんの教養を重んじる姿勢が鮮明に出ていて、その意味で書でいう自称「リベラル」たちの反知性主義とは真逆の良書です。 個人の自由を最大限尊重し、社会的弱者の声に耳を傾け、過剰な政府介入よりも漸進的な改革を望む(なぜなら人間の理性には限界があるから)という立場を岩田さんはリベラルと言っています。なら僕もリベラルです。 しかし書で岩田さんが批判する日リベラルはそうではない。教条主義的で歴史の教訓を参考にもしない、自分達の価値判断と事実判断の区別がうまくできていない、そして反知性的な態度をもつ人たちを日リベラルとしています。 書の個々の日リベラルの識者への批判的検証は有意義です。池上彰、サンモニの出演者たち、内田樹氏らへの批判は切れ味がするどい。また白井聡氏のレーニン解釈については、その解釈としての面白さは評

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  • 経世済民政策研究会(第一回)で話したこと - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

    経世済民政策研究会は、リフレ政策を中心に実践的な経済政策を勉強する会合です。世話役の三原順子議員、事務局の細野豪志議員、長島昭久議員にはお世話になりました。これからもリフレ政策の理解をすすめるために、顧問としても関係したいと思います。細く長く続けるのが重要かと思いました。できれば実際にお会いできればよかったのですが、オンラインでのお話とその後の質疑応答でした。 質疑応答の中で、補正予算での予備費の青天井には、いわれてみればそうだな、と思いました。新型コロナ危機だけではなく、日は自然災害なども多い国ですから、今年度は多めにできれば10兆円ぐらいの規模で少なくとも計上しても誰もこまらないでしょう。 また安田洋祐大阪大学准教授の発案に依拠して、事実所のBIについても熱心に提言しました。不確実性の高い、かつ長期化しそうな新コロナ危機には、この政策オプションは有効です。消費減税とのからみですが、問

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  • 感染期の“戦時”経済の政策基準と戦争経済との相違:メモ書き - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

    twitterで書いたことをそのまままとめたもの。 政策効果の判定基準が、感染期は少し工夫する必要があると思ってます。 単純にGDPの落ち込みを防ぐことだけに注目するのではなく、1)感染被害の死者数、2)失業者数、3)倒産件数、4)躁うつ病、DV、児童虐待などの動向、の方が相対的に重要になると思ってます。 これらの方が生産・消費動向をみるよりも重要かと思います。感染期の経済政策の目的は、単純化すると、感染前とかわらない状況で生き抜くことです。経済学の従来の思考にはない発想ですね。仕事がなくとも職を失わない、お客がこなくても倒産しない、コロナ危機で心も肉体もできるだけ「死なない」こと。 これらの政策判断基準は、僕自身よくIMFの戦時経済ブログを引用してますが、当の戦争経済とは違うと思ってます。まず戦争経済だと投資・生産が活発で(消費は抑制)GDP自体は当初上昇し、そして完全雇用が成立して、

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  • 田中秀臣の最新経済ニュース「新型コロナウィルスショックで日本は“戦時経済”に突入した」in Schoo - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

    ネット講義の最新回です。今回は田原彩香さんと僕はそれぞれ自宅から放送、それをスクー側が画面で統合して配信しました。来月もその可能性が大きいと思います。試行錯誤ですが、頑張りますね。 さてTwitterの方で連投したものをこちらにも。放送ではもう少し丁寧に話してるのでぜひアーカイブもご覧ください。 アーカイブはこちらから。お試し受講で冒頭も無料でみれます。 https://schoo.jp/class/5309 twitterでの発言と放送でも使ったパワポ(一部付記など)。 新型コロナウィルスショック経済の特徴は、1)根源的不確実性の世界。ナイト的不確実性vsリスク 2)「感染拡大の抑止」と「経済活動の維持」のトレードオフが厳しく存在。 例:景気過熱すると経済活動活発化⇔感染拡大 ではどうするか? 以下、経済分析の手法は45度分析を利用して、金融政策スタンスは緩和的だが追加緩和は当面考えない

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  • 緊急経済対策の“真水”推理:日本経済新聞などから - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

    緊急経済対策の事業規模は総額108兆円程度だが、今日閣議決定されるが、現時点で日経が出してる記事が正しいと前提して考えてみる。 緊急経済対策、迅速さカギ 給付遅れれば影響深刻:日経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57721290W0A400C2EA1000/ 基的な発想は、IMFの二段階にわけた政策対応を採用している。日経の報道では、「緊急支援フェーズ」と「V字回復フェーズ」と呼ばれるものだ。総額は事業規模で108兆円で、これはGDPの約二割である。この数字は、主要20カ国・地域(G20)が3月26日に、テレビ電話会議を開催し、総額5兆ドル(約550兆円)の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策を行うとしたものの、“国際公約”な負担を意識してのものだろう。GDP比でいうとドイツもまた約2割の財政出動を行う。 事業規模自体は10

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