国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(本部ニューヨーク)は31日、2013年版の年次報告を発表し、ミャンマーの最大野党国民民主連盟(NLD)党首、アウン・サン・スー・チー氏について「少数民族の人権保護に消極的で、失望している」と異例の批判を掲載した。 また、中国当局による報道機関の記事検閲や記者への圧力なども取り上げ、「表現の自由を恣意的に抑圧している」と非難した。 ミャンマーでは、北部で反政府少数民族武装勢力「カチン独立軍(KIA)」と政府軍の戦闘が続いているほか、西部ではイスラム教徒の少数民族ロヒンギャと仏教徒が衝突。多数の死者や避難民が出ているが、仏教徒が国民の約9割を占めることなどからスー・チー氏は積極的な発言を控えている。 報告書は「多くのミャンマー人が少数民族に偏見を持っているが、スー・チー氏は立ち上がろうとしない」と批判した。(共同)