東アジア情勢の緊迫化などで現行憲法の欠陥が次第に明らかになりつつある中、憲法改正論議が盛り上がってきた。参院選の結果次第では日本で史上初めて、改憲を問う国民投票が実現するかもしれない。しかしこうなると底力を発揮するのが護憲派の方々で、その結束力には目を見張るものがある。改憲問題について考えるための材料として、6月14日に都内で開かれた「96条の会」発足記念シンポジウムで語られた内容を、語られなかったこととあわせてお伝えしたい。(溝上健良)熟議抜きの現行憲法 憲法改正の要件を定めた96条の改正を掲げている大阪市の橋下徹市長は5月9日の記者会見で「護憲派ほどうさんくさいものはない。護憲派の人たちは、今の憲法が絶対的に正しいと思っている」と述べている。実際に護憲派の主張はうさんくさいのか、シンポを聴いて検証してみよう。橋下氏、会見で護憲派を批判 シンポジウムのテーマは「熟議なき憲法改定に抗して」