『無理矢理ウエディング』(杉しっぽ/小学館) ここ数年、少女マンガにおける“暴走ぶり”が話題を集めている。一見すると、「なんだそりゃ!?」と言わざるを得ない設定、シチュエーションの作品が登場し、読者の注目を集めているのだ。『無理矢理ウエディング』(杉しっぽ/小学館)に収録されている、『芋けんぴは恋を呼ぶ』は、その暴走ぶりでネットを騒然とさせた作品の代表格だろう。 タイトルだけではピンとこない人もいるかもしれない。けれど、次のセリフは目にしたことがあるのではないだろうか。 “芋けんぴ 髪に付いてたよ” 芋けんぴが髪の毛に付いている……? それっていったいどういう状況? そう、本作は、「芋けんぴ」を介して恋に落ちる二人の男女を描いた、トンデモ恋愛マンガなのだ。 主人公・千崎和歌は、行きつけのコンビニで販売されている芋けんぴを愛し続けて早10年という、生粋の芋けんぴラバー。ところが、このところい