近年、文化人類学の対象は、消費者や社会組織などへも広がり、ビジネスへの応用が進んでいる。文化人類学者の大川内直子さんは、文化人類学の手法を使った調査を手掛けるベンチャー企業を立ち上げた。大川内さんにインタビューする連載第1回は、大川内さんがメガバンクに就職をした後、ベンチャー企業のアイデアファンドを起業するまでを聞く。文化人類学によるエスノグラフィー(行動観察)は、人々の行動に密着して水面下のニーズや本音をあぶり出す手法だ。 アフリカで暮らしたかった みなさんは文化人類学と聞くと、どんなイメージを持ちますか? アフリカなどの「未開の地」で実地調査を行う、不思議な学問と思われているかもしれません。 しかし、今やGoogle、インテル、ネスレなど多くのグローバル企業が文化人類学の手法をビジネスに取り入れ、成功を収めています。時には経済学やビッグデータ分析よりも頼りになることもあります。 まず、
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