岸田文雄首相の時計が話題になった。新首相が就任直後に着けていたのは、セイコーの「アストロン」である。高い時計を持つのはケシカラン、という意見もあったし、いっぽうで、一国の首相になる人だから33万円の時計は妥当、というコメントも見た。とはいえ、もっと話題になったのは、岸田首相のいっときの普段時計だったロレックスの「デイトナ」だ。時計好きとしてはおおっと思ったが、今の中古価格を考えれば、まあ炎上も当然、ということなのだろう。 以前も本コラムで、政治家の時計について書いた。しかし、その時と異なり、政治家がどんな時計を着けているかということへの注目は、さらに高まったと感じる。もっとも、この注目は、しばしば「炎上」に直結する注目である。難しい時代である。 見聞きした限りで言うと、政治家の時計選びは、針の穴に糸を通すほどに難しい。高価すぎれば文句を言われ、外国製ならもちろん文句を言われ、無難なものを選
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