一人で部屋に入ると、誰もがまず部屋を明るくして、その空間の広さを見るために明かりを灯すだろう。ジェームズ・タレルにとっては、その光は一つの「物」。「もし明かりが物を認識するための手段ではなく、むしろ人々が認識する物自体だとしたらどうだろう?」全ては光をどう捉えて、認識するかなのである。彼の作品のが目指すのは、形や色を操って、私たちの目がそれを違った風に認識するようにするところにある。 ロサンゼルス・カウンティ美術館(通称LACMA)ではここ30年近くの間で初めて、ジェームズ・タレルの大規模な回顧展を開催している。この展示会では、50点ほどの作品を通して彼の約50年間の活動を見ることができる。彼はあなたの認識力に働きかけて、展示会を見終わった後に恍惚として会場を後にすることになるかもしれない。それはドラッグの作用に近いものがある。 James Turrell, Twilight Epipha