グローバル経済は、情報革命が引き起こすデジタルトランスフォーメーション(DX)の真っただ中にある。その源流をたどると、情報技術革新が先進国経済に深く影響し始めた1990年代に遡る。 ちょうどそのころから、軌を一にして太平洋の両岸で興味深い「2つのコントラスト」が見られた。1つは日米経済の「明暗」であり、もう一つはその明暗が1980年代とは見事に「逆転」したことだ(詳細については、連載の115回で解説)。 2000年代に入ると、グローバル経済にさらなるコントラストが見られた。1つは、情報革命の勢いが、先進国だけでなく途上国も巻き込む大奔流となったことだ。世界各地でさまざまな新ビジネスが勃興し、グローバル社会は躍動感に満ち溢れた。 もう1つは、世界の躍動をよそに、日本経済にとっては「取り逃した未来」となったことだ。それを端的に物語るのが1人当たりGDP(国内総生産)の長期推移だ。過去40年間の