映画「天のしずく~“いのちのスープ”」が、11月3日、東京都写真美術館ホールを皮切りに全国の劇場で上映されている。この映画は、日本の食に提言を続ける料理家・辰巳芳子さんの手から生まれる「いのちのスープ」を通して、食べ物が生まれる台所から食材が生まれる田んぼや畑まで美しい映像で描く。赤ちゃんのスープ、救護のスープ、看取りのスープ。人は生まれるときから死にいたるまで、海と山の恵みである「天のしずく」がなくてはならない。この辰巳さんの鋭い感性と知性は、日本人の伝統と知恵を失う、底が抜けた日本人の眼をさまさせるに十分な迫力で迫ってくる。「食を整えることは人を愛すること」という、ずっしりと重いメッセージは、これから先、放射能汚染の中で生きることの覚悟をもやさしく伝えている。 その辰巳芳子さんが絶大な信頼を寄せる農家のひとりが、青森県浪岡町のEM自然農法農家の福士武造さんだ。福士さんの一面に広がる黄金