新潟県三条市が、今年12月から4カ月間、市内の小中学校の給食で牛乳を出すのを試験的にやめることを決めた。同市は全ての給食が米飯の「完全米飯給食」を実施しており、和食中心の献立に「牛乳が合わない」との声に応えたという。給食の牛乳は家庭の食事で不足するカルシウムを補う役割も果たしており、中止の試みに波紋が広がっている。健康・料理研究家で管理栄養士の幕内秀夫氏と、神奈川県立保健福祉大学長の中村丁次氏に見解を聞いた。(平沢裕子) ◇≪幕内秀夫氏≫栄養計算やめ食文化守れ --給食の牛乳中止をどう思うか 「もちろん賛成。そもそも学校給食で規定された食材はない。パンもご飯も必ず出さなければいけないわけではない。ところが牛乳だけは、保護者も学校関係者も自分たちの経験上、給食には必ずつくものと思ってきた。戦後、学校給食は脱脂粉乳とコッペパンで始まった。当時は食糧難で、小麦粉